アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「愛華ちゃんは僕たちの特別!いつでも遊びに来ていいよ!」
「えっ?」
キラキラとした瞳で私を見てくる莉音くん。
さすがアイドル。
輝く瞳から目が離せなくなる。
「でも、ここ秘密の場所じゃ……」
「僕、もっと愛華ちゃんとお話したい……ダメっ?」
こんなあざとさはどこで学ぶのだろう。
アイドル養成所で教わるのだろうか?
そんな目で見られたら、断るものも断れない。
「はい、わかりました……」
私は結局断れず、二つ返事で答える。
「あっ、敬語もなしでいいよ!僕、もっと愛華ちゃんと仲良くなりたい!ね、みんなっ」
「俺は大歓迎〜」
「うん、愛華ちゃんさえ良ければいいんじゃないかな。よろしくね、愛華ちゃん」
「……」
「あ、ありがとうございます……?」
なんと答えるのが正解なのだろうか。
千秋くんからは、歓迎の印だとたくさんのお菓子を手渡された。
「愛華ちゃんならいつでも僕らの隠れ家においで」
そう言ってくれるのは嬉しいことなんだと思うのだけれど……
アイドルに囲まれているのはなんだか落ち着かない。
私、咲野 愛華……
なんとデビュー目前の人気アイドルグループ“シャイニング”のみんなにお気に入りにされてしまったようです。