アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「まさか今日気づいたの?」
「いや、昨日───」
と、そこまで言いかけてハッとする。
彼らの隠れ家があることは絶対に秘密。
リーダーの颯汰くんからも警告されてしまっている。
あの空き教室は彼らの落ち着く大切な場所。
それをバラしてしまった時には、私はどうなるかわからない。
特にずっと不機嫌そうにしていた廉くん。
私に気づかれてしまったことをすごく怒っていた。
「昨日?」
「あの……帰る時に姿見かけてあれって思って」
「帰る姿見かけたの!?」
何やらまた驚く心桜。
「な、なんか変なこと言ったかな?」
もしかして不自然だった?
嘘がバレてしまったのかとドキドキする。
「不思議とシャイニングが帰るところをみんな見ていないの……それを見たなんて一体どこで!?」
「え、えっと玄関?」
そんなに珍しいことなんだろうか。
確かにみんな追っかけを巻いて隠れてるって言ってたもんなぁ。
帰るタイミングをずらしているとも言っていた。
彼らの帰る姿を見ている人は本当に少ないのだろう。