アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「まぁ、愛華が知らなかったのも無理はないかもね」

「どうして?」

「愛華はまず芸能人に興味ないでしょ?」



心桜に図星をつかれる。



「うん……」



心桜は好きなモデルさんがいるから、芸能界には確実に私よりは詳しい。

それに比べて私は、本当に興味がない。



「あと、この学校の芸能科が別棟にあるのも原因かもね」



そう。

この中学校は普通科と芸能科があるのだが、普通科は本棟であるこの校舎に。

芸能科は隣の別棟にある。

とは言っても、渡り廊下で繋がっていて、本棟にある特別教室は共通で使うのだけれど、基本的には会うことはないから、関わりはあまりない。

心桜はそのせいじゃないかと思っているのだ。



「シャイニングが通っているからってこの学校を受験した人も多いんだよ?」

「へぇ〜」



確かに大人気のシャイニング。

彼らを目的に入学してくる人たちがいたっておかしくない。

むしろ親が勧めたとはいえ、家が近いからという理由だけで入学してしまって、惜しくも落ちてしまったファンの人たちにはほんの少し申し訳ない気もする。

実際はそれよりも大変なことが起きているのだけれど。




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