アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
すると、特別ゲストはなんのお構いもなしにズンズンと教室の中へと入ってくる。
廊下にはいつの間にか人だかりができていた。
「愛華ちゃん!来ちゃった!」
ニコッとその人は笑う。
その笑顔にどれだけの人が鼻血を出して倒れそうになったことか。
本人は何もわかっていないだろう。
「な、な、な……なんで莉音くんがここに!?」
絞り出した声。
突然私の教室に現れた特別ゲストは、莉音くん。
学年も棟も違うのに、なんでここに……
私のクラス教えたっけ?
「行こっ、愛華ちゃん!」
「えっ、えっ!ちょっと待って!?」
パシッと右手を掴まれて、走り出す莉音くん。
待ってと言っているのに、莉音くんは止まってはくれない。
「追っかけ巻くよ〜」
呑気に明るい声でそんなことを言う。
後ろを振り返って見れば、たくさんの女の子たちが追いかけて来ていた。
「ひぃっ……」
これはなかなかの迫力だ。
何かのドッキリにあっているかのよう。
「愛華ちゃん、中に入って!」
「きゃっ!」