アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「僕、愛華ちゃん連れていきたい!」
「へっ!?」
「はぁ?お前、何言ってんの?」
驚く私と同時にイラッとし始める廉くん。
「り、莉音くん、さすがにそれは……」
ドがつくほどの平凡な庶民が行くところでは絶対にない。
「えぇーダメー?」
また莉音くんの得意な子犬のようなうるっとした瞳を向けられる。
私はこの瞳に弱いみたいだ。
絶対に行っては行けないと思っていたのに、心が揺らぎ始めている。
「僕、愛華ちゃんに今日の撮影見てもらいたいなぁ」
莉音くんの私への攻撃は続く。
おまけに両手をギュッと握られて、逃げられそうにもない。
「莉音がそう言ってるけどどうかな?」
「えっ、いいの?颯汰くん!」
「莉音は言い始めるときかないでしょ?」
「えへへっ」
そうして私の方へと視線が向けられる。
「えぇっと……」
「おねがーいっ!」
「は、はい。わかりました……」
「やったぁー!」
私の返事に大喜びする莉音くん。
廉くんは教室の端で、大きなため息をついていた。
やっぱり莉音くんのお願いは断れない……
それくらい潤んだ瞳の威力がすごいのだ。