アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「こんにちは、潮見さん」
代表して、颯汰くんがマネージャーさんに挨拶をする。
それに続いて千秋くん、莉音くん、廉くんが挨拶をしていた。
彼らのマネージャーさんは、潮見さんと言うらしい。
その潮見さんとバッチリ目が合い、慌てて頭をぺこりと下げた。
「えっと、この子は誰かしら」
そう聞きたくもなるだろう。
これからデビューが決まっているアイドルが、誰だか知らない女を連れてきているのだから。
「この学校の1年生の愛華ちゃんです」
私の代わりに紹介してくれた颯汰くん。
もう一度、私は頭を下げた。
「名前を聞いてるんじゃないのよ。なんでその子がいるのって聞いてるの」
「僕が連れてきたんです。どうしても愛華ちゃんに僕らの撮影見て欲しくって!」
「ねっ」と私に笑顔を見せる莉音くん。
その笑顔は、私には眩しすぎるからやめて欲しい。
どういうことだか察した潮見さんは、顔に手を当てて、はぁと深いため息をついていた。
「莉音が勝手に連れてきちゃったのね…」
「ダメと言ってもきかないので」
「そう。私もよーくわかってるわ」
わかっているからこそ頭を抱えているのだろう。