アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
残された彼らは、順番に更衣室に入って用意された衣装へと着替えてくる。
「……っ」
最初に着替えたのはリーダーの颯汰くん。
更衣室から出てきた彼の姿に息を飲んだ。
真っ白なタキシードにシルバーのライン。
腰には彼らのイメージカラーのスカーフが巻かれている。
確か、颯汰くんは青、千秋は黄色、莉音くんはピンク、廉くんは紫だったと思う。
以前、シャイニングのライブDVDをテレビで見ていた結菜に教わったはずだ。
次々に着替えていく彼ら。
出てくる度にドキドキが止まらない。
制服姿の彼らは、同じ学校のイケメンな先輩という目でしか見られなかったけれど、こうして見ると、本当に彼らはアイドルなんだと見せつけられる。
「愛華ちゃんどうー?これデビューシングルの衣装なんだぁ」
デビューシングルの衣装ということは、きっと公表されていないはず。
そんな貴重な衣装をファンでもない私が見てしまってもいいのだろうか。
「すっごい似合ってる……かっこいい……」
それが素直な感想だった。
彼らは本当にかっこいい。
ファンなんかじゃないはずなのに、ドキドキが止まらない。
私の素直な気持ちに、莉音くんはとても喜んでいた。