アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「愛華さんはみんなに気に入られちゃったみたいだから、これからもよろしくね。近くで力になってあげて」
「はい、もちろんです」
「でも、いろいろと気をつけてちょうだい」
「……はい……?」
「じゃあ、撮影の様子が気になるから行くわね」
「はい、ありがとうございました」
気をつけるってなんだろう。
そんな疑問が残りつつも、そのまま潮見さんを見送った。
「ただいま〜」
家に帰ると晩御飯のいい匂いがする。
今日はカレーライスだ。
美味しそうな匂いでお腹もすくけれど、ご飯の前にやりたいことがある。
「結菜〜」
帰ったその足でそのまま結菜の部屋へと向かい、コンコンとノックをした。
「愛華姉ちゃん、どうしたの?」
もうお風呂も先に済ませたようで、頭にタオル地のターバンを巻いた結菜が部屋から顔を出した。
「ちょっとシャイニングの曲を知りたくて」
なんだか改まって妹にお願いするのは、ちょっぴり照れくさい。