アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
まだ昨日のことが夢のよう。
ふわふわした気持ちで身支度を整えて家を出た。
カバンの中には、結菜から渡された色紙が入っている。
いつものように校門をくぐると、やけに注目を浴びている気がした。
見られている気がするけれど、誰も声をかけてこようとはしない。
なんとも不気味な気がしたけれど、私は無視することにした。
生徒玄関に着き、靴を履き変えようと靴箱に手をかけて、違和感に気がつく。
……なんで開いているんだろう。
私の靴箱の扉が少しだけ開いていた。
昨日帰る時ちゃんと閉めていなかったのだろうか。
いや、確かにちゃんと閉めたはずだったんだけれど。
そう思いながら半開きの扉を開けた。
すると中からくしゃくしゃにされた紙がポロリと落ちてきた。
何これ?
靴を履き替えて、その紙を拾う。
恐る恐るくしゃくしゃにされた紙を広げると、背筋が凍るように寒気が走った。