アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



“近づくな”

“アンタは釣り合わない”



そこに黒いペンで殴り書きされていた言葉。

どう見ても悪口だった。



「おっ、愛華!」



そう声をかけられて、咄嗟に紙を丸めてポケットにしまった。

そうして声のする方へ振り返る。

そこにはニッと笑った柊がいた。



「……柊」

「ん?どうかしたか?」



挙動不審でいつもと様子が違う私に、問いかける柊。



「ううん、なんでもない」



反射的に隠してしまった。

誰かが間違えて入れたのかもしれない。

私はそう思うことにした。

そう思わないと心が壊れそうな気がした。



「なぁ、家近いんだから一緒に登校しようぜー?1人じゃ寂しいし」

「んー、嫌だ」

「うわぁ、バッサリ……悲しい」



私は平然を装うことにした。

でも、本当は怖くて、震える手を必死にかくしていた。

ちゃんと隠せているだろうか。

幸いにも隣で笑いながら話す柊には気づかれていないみたいだった。



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