アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
空き教室に着くと、莉音くんが「待ってたよー!」と着いてそうそう私に抱きついてきた。
「本当は僕が迎えに行きたかったんだけど……」とちょっぴりいじけムード。
こういう時はどうするのが正解だろうか。
その場でなにもできず、立ち尽くしてしまう。
彼らへの好きを自覚してしまうと、今までと見る目が変わってしまう。
私、今本当にアイドルと会っているんだ……
「ねぇ、愛華ちゃん!昨日僕たちの撮影見てどう思ったー?」
抱きついたまま私の顔を見上げる莉音くん。
真っ直ぐな瞳に頭がクラクラする。
「すごくかっこよかった」
「本当ー?愛華ちゃんにそう思ってもらえてよかったぁ」
莉音くんはとっても嬉しそうで満足そうにしていた。
「愛華ちゃんお菓子食べる?」
今日も机の上にお菓子を並べている千秋くん。
あんなに食べて太らないのが不思議だ。
「うん」
千秋くんにひとくちチョコレートをもらって口の中へ転がす。
甘い。
まるで目の前にいる彼らのように。
「今日も連れてきちゃって迷惑じゃなかった?」
心配そうにする颯汰くんに、私は全力で首を横に振る。
「連れてきてもらえて嬉しい!」
また彼らに会いたかったから。
それに彼らに頼みたいことも……そうだ、色紙。