アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
ジェットコースターの乗り場まで来て、事件が発生する。
私の隣に誰が乗るか問題だ。
それを決めるために、じゃんけん大会が開催された。
「俺はパス」
「何言ってるの、廉くん!廉くんも強制参加だよ〜」
「だからいいって言ってんだろ」
「ほら、手出して?」
「はぁ……」
廉くんは、あまり私のことをよく思っていないのかもしれない。
私がいる時の廉くんは、何となく不機嫌そうな気がするから。
そんなじゃんけんを見届けていると、勝ったのはまさかの廉くんだった。
「ほら、行くぞ」
廉くんから声をかけられる。
「う、うん」
嫌がるかと思ったのに……
廉くんは私の目を見て私の腕を引いた。
廉くんの大きな手。
冷たい態度とはまた真逆の温かさ。
ちょっぴり強引な廉くんに胸がドキッとした。