アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
身支度を整えて、しばらく部屋で待っていると、スマートフォンに電話がかかってきた。
それは登録されていない電話番号。
「……もしもし」
恐る恐る電話に出てみると、それは潮見さんだった。
「愛華ちゃんね?迎えに来たから出てきてくれる?」
「はい、今行きます」
お迎えの連絡を受けて、私は家を出た。
今回もまたシャイニングの撮影現場に行くなんてことは家族に伝えられず、友達と遊びに行ってくると言って来た。
家を出ると、目の前に潮見さんの車が止まっている。
コンコンとノックすると、ドアを開けてくれた。
「潮見さん、こんにちは」
「こんにちは。突然ごめんね?大丈夫だったかしら」
「はい、私は暇してたので全然大丈夫です!」
「じゃあ出発するから乗ってくれる?」
「はい!」
潮見さんに言われるがまま、車に乗り込む。
さっきまでここにシャイニングのみんなが座ってたんじゃないかと思うとなんだかドキドキして、その空気を吸おうと深呼吸なんかしてしまう。
潮見さんが来るまでの間、シャイニングの曲を聞いて待っていたから、それもさらにワクワク感を掻き立てる。
「いやぁ、愛華ちゃんがPV撮影のモデルを承諾してくれたなんて嬉しいわぁ!本当に困っていたのよ」
そんな爆弾発言を潮見さんからされたのは、私の家を出発して、しばらく経ってからのことだった。