アイドルたちに溺愛されて可愛がられて




「あら、とっても似合ってるわ!」



着替えて外に出ると、メイクさんにそれはとてもよく褒めれた。

こんなに褒められたこと、親にもないかもしれない。

メイクさんは褒め上手だ。

なんだか一般人の私までモデルのように可愛くなれた気分になってしまう。



「私がもっと可愛くしてあげるから、そこ座ってくれる?」

「はい」



椅子に座るとヘアメイクさんもやってきて、2人がかりで私をメイクしていく。

おろしっぱなしのストレートの長い髪は、くるくると緩く巻かれていく。

顔も出ないと入っていたものの、多少は映り込むらしく、見違えるほどに綺麗にしてもらえた。

うるツヤの唇は、自分でもうっとりしてしまうほど。



「愛華ちゃん可愛いわ」

「あ、潮見さん」



いつテントの中へ入ってきたのか……全然気がつかなかった。



「まるでモデルさんみたいよ?」

「そんなっ!」



潮見さんにまで褒められたら、本当に勘違いしてしまいそうだ。



「さぁ、撮影に向かいましょ」



ついに撮影だ。

緊張でドキドキする。

みんなの足を引っ張らないようにしないと。

ふわふわのスカートに触れる手をギュッと握った。



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