アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「あの……みなさん行きましたよ?」
「あっ、本当?ありがとう!」
ニコッと笑う笑顔が眩しい男の子。
まるで子犬のような可愛さだ。
男の子の笑顔に胸がキュンと鳴る。
まるでアイドルかのような笑顔。
普段テレビで見ていても何とも思わないのに、現実に起こるとこんな気持ちになるんだと、なんとも言えない気持ちになる。
「キミ1年生だよね?お名前は?」
「私、ですか?……私は愛華って言います。咲野 愛華」
「愛華ちゃん、可愛い名前だねっ!助けてくれてありがとう。またどこかでね」
笑顔の可愛い男の子は名前も名乗らずに行ってしまった。
一体誰だったんだろう……
でも、なんかどこかで見たことあるような気がしたんけど……
うーんと考えてみるも、出てきそうで出てこない。
なんだかモヤモヤする。
きっと学校内ですれ違ったことがあるのかな?
それくらいしか思い浮かばない。
まぁいっか。それよりも早く社会準備室に行かないと。
大きな地図はそこそこ重くて、持ち歩くのは疲れてきた。