アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
撮影開始までのカウントダウンが始まって、スタートする。
最初は何気ない会話をすることになった。
「愛華ちゃん、今日は来てくれてありがとうね」
「ううん!みんなの力になれるなら嬉しい!」
会話は音声に入らないみたいで、楽しく話しているところを撮りたいらしい。
だから、莉音くんとは普段通りの会話をした。
「僕、愛華ちゃんが来てくれて本当に嬉しいっ」
「そう言ってもらえて私も嬉しい」
「愛華ちゃん、肩貸して」
「へっ?」
莉音くんの頭が私の右肩に乗る。
顔が近づいて、莉音くんの吐息が近くに感じられた。
ただそれだけじゃなくて、横から莉音くんに抱きしめられる。
こんなに密着していたら、莉音くんに心臓のドキドキが聞こえてしまいそうだ。
「愛華ちゃんはずっと僕の宝物だよっ」
「……っ」
潤んだ上目遣いの瞳に私が映る。
目を離せないその瞳に、心をギュッと掴まれた。
「はい、カットー!」
カットの声がかかったのに、なかなか莉音くんは私を離してくれない。
「あーあ、終わっちゃった。僕、まだこうしてたいなぁ」
莉音くんはとても名残惜しそうにしながら、私から手を離した。