アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
これで3人の撮影が終わった。
残すのは廉くんただ1人。
個性が溢れた3人のドキドキシーン。
廉くんは一体何をするんだろう。
一番私には想像がつかないのが廉くんだ。
「何?」
私は、ずっと廉くんのことを見てしまっていたらしい。
目がばっちりと合い、そう問いかけられてしまった。
「ううん、なんでもないの」
気まずくなって、目を逸らしてしまった。
これから廉くんとの撮影だっていうのに。
「ちょっと休憩したら、最後の撮影ねー」
「はい」
監督の一声で、しばし休憩になった。
その間に私は気持ちを落ち着かせる。
潮風に当たりながら、深く深呼吸をする。
私の出番もあと1回。
どんな作品になっているのか、とっても気になる。
今でも私がPV撮影に参加していることが夢のようだけれど、完成がとても楽しみだ。
10分ほど休憩を挟んで、私たちに撮影開始の声がかかった。