アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「あ、次の時間体育じゃん!体操着に着替えないと!」
「本当だっ!」
次の時間は体育。
体育の時間は体操着に着替えなければいけない。
心桜と話し込んでしまって忘れていた。
急いで体操着を取りに行く。
「……あれ」
ロッカーに置いてあるはずの体操着が見当たらない。
確かに持ってきていたはずなのに。
「愛華ー?どうしたのー?」
「体操着見当たらなくて……」
「えっ?」
心桜も一緒に来て探してくれる。
だがしかし、私の体操着は見当たらない。
「なんだよ愛華、体操着忘れたのか?」
幼なじみの柊がやってくる。
忘れた?
そんなはずない。
朝だって確認して持ってきたんだから。
考えられるのは一つだった。
「持ってきたと思ってたんだけど、家に忘れてきちゃったのかも」
えへへと笑って誤魔化す。
心桜と柊には心配をかけないように。
どうかバレないように。
きっと体操着は隠されてしまったのかもしれない。