アイドルたちに溺愛されて可愛がられて




カサッ……


靴箱を開けると、今日もまたたくさんのメモ紙が落ちてくるのかと思えば、1枚の紙切れだけ。

いつもはくしゃくしゃに丸められているのに、今日は丁寧に折りたたまれていた。

それがまた不気味に感じる。

これはちゃんと読めということだろうか。

バレないようにこっそり制服のポケットに忍ばせて、トイレの中でそれを開いた。



“今日の放課後、校舎裏に来い”



紙切れにはそう書かれていた。

怖い。

単純にそう思った。

それは呼び出しの手紙。

今までは直接何かをされるのではなく、間接的にされていただけだった。

そんな人たちとついに顔を合わすことになる。

何をされるのか、想像もつかなくて身震いする。

カタカタと手は震えていた。

助けて欲しい。

でも誰に助けを求めていいかわからない。

誰にも迷惑をかけたくない。



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