アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



その放課後、私は校舎裏へと向かっていた。

無視することだってできた。

でも、無視したら次は何をされるのか、それを想像する方が怖かった。

校舎裏に着くと、そこには5人組の女の子が待っていた。

私を呼び出したのはあの子たちだろう。

その中には私と同じクラスの子もいる。



「あー、来たきた」



待ちくたびれたというような言い方で私の方を睨む女の子。

ぶるっと背筋に寒気が走って、体が震える。



「よくここに来られたねぇ〜」



呼び出したのはあなたたちなはずなのに。

リーダーであろう女の子につられて、私を嘲笑う女の子たち。

悔しくて拳をぎゅっと握る。



「……っ」

「やっぱりあんたの顔見てるとムカつくわぁ」



はぁと大きなため息をつくリーダー。



「なんで呼び出されたかわかってるよね?」



そう問いかけられるが、私はその場で固まったまま。

呼び出された理由なんて一つに決まってる。



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