アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「こんの……!」
「いっ!」
バチンと大きな音を立てて、平手打ちされた頬。
ジンジンと痛みが走っていて、きっと赤くなっているのがわかる。
「みんな、やっちゃって」
その一言を合図に、女子4人が後ろに持っていた袋を取りだして、私に振りかけた。
それはたくさんのゴミだった。
制服がゴミまみれになる。
悔しくて、悔しくてたまらない。
でも耐えないと……
そう思うけれど心はもう限界だった。
目に涙が滲む。
「何泣いてんだよ。お前が全部悪いんでしょ!」
「……っ」
今度はまた肩を強く押されて、バランスを崩して尻もちをついてしまった。
制服はゴミとぬかるんだ土で汚れまみれ。
頬に涙が伝う。
「……助けて」
「大丈夫か、愛華」
「……えっ」
私以上にその人の登場に驚いているのは、彼女たちだった。