アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



彼女たちがいなくなり、校舎裏に廉くんとふたりきりになる。

この状況は、テーマパークの時以来のことだ。

しばらく沈黙が続いてから、廉くんが口を開いた。



「なぁお前、いつもあんなことされてたのかよ」



廉くんが怒っている。



「……っ」

「どうなんだよ」



廉くんの口調が少しだけ優しくなる。

また涙が溢れてしまいそうだ。



「最初は悪口を書かれた紙が下駄箱に入れられてただけだったの……それが段々とヒートアップして行って、物を隠されたりとか……」



ついに涙が溢れだしてきてしまった。

ずっと誰かに助けを求めたかった。



「なんで俺たちに何も言わねぇの?」

「みんなに迷惑かけたくなかったから.......」

「俺たちが巻き込んだせいなんだから、早く言え!なんかあったら言えって言っただろ!じゃねーと守れねぇだろ」



両肩をガシッと掴まれて、真っ直ぐに瞳がぶつかる。



「……っ」



廉くんがそう思っていてくれたなんて。

廉くんの優しさに涙が溢れてくる。



「廉くんっ……」

「頑張ったな」



廉くんに背中をさすられて抱きしめられて、私はわんわん泣いた。




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