アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
「あぁ、見つかった。今から隠れ家連れてくから」
私が泣き止む頃、廉くんは電話をしていた。
きっと探し回ってくれていたみんなにだろう。
結局みんなに迷惑をかけてしまった。
もっと早くみんなに言っておけばよかったかもしれない。
今ならそう思う。
「歩けるか?」
「……うん」
廉くんが手をさし伸ばしてくれる。
その手を繋いで一緒に歩いた。
廉くんが手を引いて歩いてくれる。
廉くんが駆けつけてくれて本当によかった。
あのままだったら、私はどうなっていたかわからない。
「ありがとう、廉くん」
「別に」
背中にそう伝えると、背中からそう返ってきた。
廉くんはあまり話さないし、ぶっきらぼうだけど、とても優しいことを私は知っている。
そんな廉くんにドキドキしていた。
本当に、私のヒーローみたいだった。