アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



「愛華ちゃーん!大丈夫だった?怖かったよね、すぐ行けなくてごめんね」



隠れ家の空き教室につくと、真っ先に莉音くんが私の元へと駆けつけてギュッと抱きしめられた。

何があったのかは、廉くんから聞いたのだろう。

汚れてしまった制服を見ても、何があったのか想像がつくかもしれない。



「莉音くん、汚れちゃうよ……」

「そんなこと関係ないよ!愛華ちゃんが無事でよかったぁ」

「ありがとう、莉音くん」

「愛華ちゃん、すぐ助けてあげられなくてごめん」



隣で千秋くんが頭を下げる。



「ううん、私が何も言っていなかったから……」

「僕たちの大切な愛華ちゃんが苦しんでたこと気づいてあげられなかった、本当にごめんね」

「謝らないで、颯汰くん」



シャイニングのみんなは、みんな優しい。

こんな私のことを大切に思ってくれるのが本当に嬉しかった。

私はみんなに愛されている。

その事実があるだけで、十分だった。



「でも、僕、これじゃ気が済まない!」

「そうだね。僕にいい考えがあるよ。ずっと愛華ちゃんを守るためのね」



颯汰くんがウインクをした。

その“いい考え”というのがなんなのかは、月曜日に知ることになる。




< 89 / 122 >

この作品をシェア

pagetop