アイドルたちに溺愛されて可愛がられて



曲は全部で5曲披露された。

最後まで彼らはかっこよかった。



「今日は最後まで聞いてくれてありがとう!」



颯汰くんに続いてみんながこちらへ大きく手を振る。

それに私たち生徒は答えるように手を振り返した。



「最後にみんなに伝えたいことがあるんだ」

「……っ!」



その言葉と同時に颯汰くんと目がぴったり合った。

ゴクリと唾を飲み込む。

なんだろう……胸がザワザワする。



「愛華ちゃーん!」



莉音くんが私の名前を呼んだ。

マイクを通して呼ばれ、私を知るクラスメイトの視線が一斉に集まり、他のクラスの生徒たちもなんだなんだとこちらを向き、落ち着かなくなってしまう。



「きゃーっ!」



次はなんだとステージに目を向けると、ステージの上にいたはずの莉音くんが降りてきていて、まっすぐとこちらへ向かってくる。



「えっ、えぇっ!」



間違いない。

まっすぐ私の元へとやってくる。



「愛華ちゃん!一緒に来て?」

「えぇっ!?」



莉音くんに手を引かれ、ステージの方へと戻っていく。

さっきとはまた違う「キャー」という声が響き渡る。




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