アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
そんなことはお構い無しに、莉音くんは私をステージの上へと連れてきた。
「愛華ちゃん、やっほー!」
「よお、愛華」
「ようこそ、愛華ちゃん」
「……みんな」
出迎えてくれるシャイニングのみんな。
眩しくて手の届かないような存在の彼らなのに、こんなに近くにいるのが不思議なくらい。
一瞬今いるここが、全校生徒から注目されるステージの上だということを忘れてしまいそうになった。
「みんなに聞いてほしい!」
振り返って全校生徒の方へと向き直す颯汰くん。
「愛華ちゃんっ、ほらこっち!」
「り、莉音くんっ!」
後ろからぎゅっと抱きしめられて、彼らと一緒に並ぶ。
「この子は僕たちの大切な女の子だ」
颯汰くんは私をちらりと見て、力強くそう言った。
「愛華ちゃんは僕らのお姫様だから」
私をぎゅーっと抱きしめながらウインクをする莉音くん。
「愛華ちゃんは俺らの宝物」
「愛華に手出しは許さない」
「……っ」
息を飲んだのは私だけじゃない。
この場にいる全員だ。
まさか全校生徒の前でそんなことを言われるなんて、思ってもいなかった。
「それをみんなに伝えたかった。大事な愛華ちゃんのことをいじめたら僕たちが許さないから」
「……っ」
私、こんなに大事にされてたんだね。
恥ずかしいけれど、とっても嬉しい。
「今度はちゃんと僕たちが守るからね」
莉音くんが小さな声でそう言ってくれた。
「ありがとう、みんなっ」