素敵後輩の隠し事
ぽかーんとする私の手を、守山さんが慌てたように引く。
「行こっ、里緒ちゃん」
「ガリ子のくせに、城内とこいつの二股かよ!?」
苛立ったように言う同級生に、守山さんは言った。
「淳の彼女だよ?
君、里緒ちゃんのことをこれ以上いじめたら、命ないと思ってね」
「ちょっと、守山さん!!」
慌てる私に、しーっと小声で言う守山さん。
同級生はそんな様子にすら気付かず、青ざめて怯えている。
どうしてこの人は、こうも城内君に怯えるのだろう。
まさかこの前負けたから……だけではないよね。