素敵後輩の隠し事



彼は地面に膝をついたまま、ゆっくりと地面に手をつく。

だから私は守山さんに言っていた。


「もういいです」


守山さんは驚いて私を見る。


「そんなことしなくて、いいです」


そう言い残し、同級生を背に走っていた。

後ろから守山さんも走ってついてくる。



巻き込んでしまって、守山さんに申し訳なく思った。

それと同時に、過去の私を知られて消えたい思いだ。

守山さんも私を守ってくれたが、内心嘲笑っているかもしれない、そう思うと涙が出てきそうになる。

地元から消えても、知らない地でやり直しても、私はガリ子のままなんだ……


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