素敵後輩の隠し事
「里緒ちゃん!」
守山さんの声が聞こえ、手を引かれる。
ガリ子じゃなくて安心するとともに、涙が流れた。
それをバレないように拭く。
俯いて立ち止まる私に、守山さんは言った。
「里緒ちゃん、ちゃんと償いさせなよ?
今は里緒ちゃんのほうが強いんだから」
強い?
いや、私の周りには、城内君や守山さんがいるだけだ。
彼らがこんな私を守ってくれただけだ。
そもそも私は強いとか弱いとかどうでもいい。