素敵後輩の隠し事
城内君は怪訝な顔で私を見て、
「何もなかったなら良かったですが」
なんてぼやく。
「智樹が喧嘩売ったみたいですが、一歩間違えれば智樹だってボコボコにされるかもしれない」
そう、守山さんが私を助けてくれて、正直驚いた。
どうして城内君も守山さんも、そこまでして私を守ってくれるのだろうか。
私は今まで、こんな人たちに会ったことなんてない。
「城内君はボコボコにされないの?」
思わず聞いてしまうが、彼は笑って答えた。
「僕、強いんです」
「だって、空手で全国大会に行っているんだもんね」