素敵後輩の隠し事


また色々と考えてしまう私に、


「矢田さん、行きましょうか」


城内君は言う。

そして、私が持ち運ぼうとしていたノートパソコンを持ち上げる。


「今日は私が議事録係だし、私が持ってくよ」


慌てる私に彼は言う。


「僕が持ちますよ。

女性に重いものを持たせちゃいけないし」



城内君はいい後輩だけでなく、紳士だ。

それにこの男社会の中にいて、私を女性扱いしてくれるんだと不覚にもきゅんとしてしまった。

そんな気の利く人、この職場にはなかなかいない。


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