素敵後輩の隠し事



「りっ、里緒ちゃん!

ちなみに僕は、これだよ!」


守山さんは写真を別のものへと変える。

同じくぼやけた写真に映っていたのは、坊主頭の守山さん。

別人みたいな城内君とは違い、守山さんは髪型以外は変わらない。

守山さんを好きになれれば幸せだったのかもしれない。

だけど私は、この写真を見てもまだ、城内君に惹かれている。



それよりも、

「城内君のことを見せしめにする守山さん、嫌です」

私はぴしゃりと言っていた。

そして自分の言葉に驚いた。

人に怯えて生きてきた私は、いつの間にこんなにも毅然とした態度が取れるようになったのだろう。

……毅然とした城内君の背中を見てきたからかもしれない。


< 138 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop