素敵後輩の隠し事
リーダーが逃げていき、辺りに気まずい沈黙が舞い降りる。
城内君は私に背を向けたまま、少し震えていた。
よっぽど怒っているのだろうか。
「あの……」
気まずい空気を打ち破ろうと声をかけたが、何を言ったらいいのか分からなくなり黙る。
そして、ますます気まずくなってしまう。
こんな私に、
「すみません、色々……」
城内君は申し訳なさそうに言う。
いや、謝るのは私のほうだ。
こんなにも城内君に気を遣わせて。
だから言ってしまった。
「城内君、私の前でもありのままでいいんだよ」