素敵後輩の隠し事


地面にねじ伏せられた同級生の顔を、守山さんが踏みつける。

私はこの人が大嫌いだけど、でも守山さんが悪人になってはいけない。

私は守山さんの足にしがみついていた。



「やめてください!」


そのまま、同級生から足を引き離す。

だけど守山さんは、ぞっとするほど冷静に告げる。


「里緒ちゃん。

僕は里緒ちゃんを傷つけた人が許せないんだよ」



私も許せない。

だけど守山さん、それはしちゃいけないです。




黙って守山さんの足にしがみついていた。

私の頬を、波が伝った。


< 179 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop