素敵後輩の隠し事
地面にねじ伏せられた同級生の顔を、守山さんが踏みつける。
私はこの人が大嫌いだけど、でも守山さんが悪人になってはいけない。
私は守山さんの足にしがみついていた。
「やめてください!」
そのまま、同級生から足を引き離す。
だけど守山さんは、ぞっとするほど冷静に告げる。
「里緒ちゃん。
僕は里緒ちゃんを傷つけた人が許せないんだよ」
私も許せない。
だけど守山さん、それはしちゃいけないです。
黙って守山さんの足にしがみついていた。
私の頬を、波が伝った。