素敵後輩の隠し事



出来ることなら俺もぶっ殺したい。

矢田さんは俺の想像をはるかに超えた酷い目に遭っていた。

その心の傷は、俺じゃどうにも出来ないだろう。

だけど、相手と同じ土俵に上がってはいけないと思う。

それは何より矢田さんが悲しむから。

まあ、工場の奴らには好きなだけやれとは言っておくが……




「淳ちゃん、本当にマトモになっちゃって、どうしたの?」


美優が聞くから、


「うるせぇ!俺ははじめからマトモだ!」


なんて怒鳴り飛ばした。

どいつもこいつも、俺をマトモだマトモじゃないとか言いやがって!!



「あー、やだやだ。

淳ちゃんとか絶対無理」


美優がまたうざいことを言い、うざい橘も、


「そうだよねー」


なんて同調している。

馬鹿夫婦が!

そしててめぇらの馬鹿息子は、空気を読んでかすやすや眠っている。

それを智樹が凝視し、ほっぺたをツンツンしている。

智樹は変態か。


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