素敵後輩の隠し事
城内君の質問には、橘さんが丁寧に答えたりした。
さすが橘さん、その知識量に驚くばかりだ。
そして公の場では城内君と橘のやり取りがよそよそしくて、さっきの仲の良さを目の当たりにした私は戸惑ってしまう。
「城内さん、こんな説明でよろしいでしょうか」
橘さんがにこやかに聞き、
「ありがとうございました。よく分かりました」
城内君が頭を下げる。
こうやって素直に分からないと言い、ありがとうと言える。
やっぱり城内君は素直でいい子だ。そして羨ましくも思った。
私は、こんな後輩と仕事が出来て幸せだ。
あの時辛い思いをしたから、今はそのぶん楽しいんだろう。