素敵後輩の隠し事



それでも軟式野球部の春田さんはなんとか打ち、一塁へ駆ける。

だけど守山さんが打たれた球をすっと拾い、これまたすごい勢いで一塁にいる橘さんに投げた。

ボールは矢のように進み、涼しい顔の橘さんが軽々キャッチする。

こんな必死な試合なのに、橘さんは相変わらずマイナスイオンを放って余裕だ。



「アウト!」


審判の声が響き、橘さん応援団の歓声が響き渡った。

まるでテレビで見ているかのような完璧なプレイだった。

野球部主将の守山さんと、運動神経抜群だという橘さん。

私は彼らに勝てるはずがない。


< 198 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop