素敵後輩の隠し事
後輩は強い
「かんぱーい」
部屋の中に、グラスのぶつかる音が聞こえた。
私たちは今、城内君の歓迎会。歓迎会と言っても、城内君が自分で店を予約して開いてしまったのだが。
「もう、矢田さんポンコツだから。ごめんね、城内」
前に座った先輩の春田さんが城内君に言う。
すると人のいい城内君は、
「春田さん、ポンコツなんて言っちゃ駄目っすよ」
なんて笑いながら言う。
城内君って優しいな、こうやって私のことを気にかけてくれて。
それでいて、みんな異動したばかりの城内君が大好きだ。