素敵後輩の隠し事
城内君は、切ない顔で私を見ていた。
泣いてしまうのではないかとさえ思うような顔だ。
「人を好きにならないって決めたのに……
俺、どうしたらいいんだよ」
私は自分が悲劇のヒロインだと思い、城内君を王子様だと思っていた。
だけど城内君も傷を抱えて生きているんだと思い知る。
私は自分の悲劇ばかり押し付けて、城内君のことは何も聞かなかった。
高校時代に横着していたからって、いい人生歩んでいたんだと決めつけていた。
城内君は何度かヘルプを出したのに、私は知らないふりをしていたんだ。