素敵後輩の隠し事
だけどもし、いまからでも間に合うなら……城内君の話を聞きたい。
私を守ってくれたみたいに、城内君を元気付けてあげたい。
そして、今度こそちゃんと好きだと伝える。
もう、私は逃げない。
城内君の手をぎゅっと握った。
微かに震えるその手を、離さないようにきつくきつく。
「私は、城内君のことをもっと知りたい。
……教えて?」
「これ以上矢田さんが近付くと、俺のこと嫌いになる」
「ならないよ!こんなに好きなんだもん!!」
叫んでから慌てて口を塞いだ。
私、とうとう言ってしまった。
勢いに任せて告白してしまったんだ。
その事実に気付くと、顔から火が吹きそうなほど真っ赤になる。
そんな私を切なそうに見て、彼はまた目を細めて告げる。
「知ってる」
「……!?知ってるの!?」
私の声は悲鳴のようだった。
ずっとずっと恋心を隠してきたのに、バレバレだったなんて!!