素敵後輩の隠し事
新しい場所に来て、私も生まれ変わったつもりでいた。
だけど所詮ガリ子のままだったのだ。
そんな思考を打ち破ったのは、新たな城内君の言葉だった。
彼は相変わらず静かに、だけど微かに震える声で告げる。
「俺も好きなんだよ。
人なんて好きにならないって決めたのに、好きになってしまったんだよ……」
「……え?」
「どうせまた、汚いって思われるのに……ドン引きされるのに……」
そうか。
城内君はずっとそれが心の傷になっていたんだ。
辛かったね、悲しかったね。
だって、過去は消せないんだから。
でも、その気持ちを知って、私は嬉しい。
涙が出るほど嬉しい。