素敵後輩の隠し事
「どっちにしても、僕は大丈夫です。
また何かされたら教えてくださいね」
城内君は可愛い後輩だと思っていたのに、今日の城内君はかっこよかった。
そして世間の男性が皆城内君みたいだったらいいのにと、心から思った。
「さあ、矢田さん、送りますよ」
城内君は言う。
「酔っ払いの春田さんのところに戻りたくもないでしょう」
どこまでも真摯な城内君に甘えてしまう私。
正直、一人で帰るのが怖かった。
またあの人たちに出会ってしまうかもしれないと思って。
出会わないためにも、私はこの場所に来たのに。