素敵後輩の隠し事
ー淳ー
「……はぁ?」
橘は顔を歪めて俺を見た。
そして、俺の隣に座る智樹が大爆笑する。
思いっきり不服そうな橘は、イラついた様子で俺に言う。
「俺を巻き添えにするなよ。
もう絶対誰にも関わらないと思ってここに就職したのに!」
「いや……俺もそうなんだけどさ……」
「淳は橘君の後を追ってきたんじゃないの?」
最後は智樹の言葉だ。
その言葉にぐうと黙る。
俺は確かに橘の後を追ってきた。
荒れ狂っていた橘が別人みたいになって大学生活楽しんでいて、すげぇ羨ましかった。
だから必死で勉強して大学に入学した。
そうしたらそこはマジで別世界で、今までの自分が恥ずかしく思った。
だから俺は橘みたいに生きようと思って頑張った。
頑張って頑張って頑張った。