素敵後輩の隠し事
後輩は人気者
ー里緒ー
マンションを出ると、
「矢田さん!おはようございます」
その声がする。
声を聞くと胸がどきんとする。
だけど気のせいだと言い聞かせ、振り返る。
「おはよう、城内君」
目の前には相変わらず爽やかな城内君が立っている。
いつものジャケットに、白いシャツ。
黒い髪は陽の光を浴びてきらっと輝いた。
朝からイケメンゲット!だなんて言っている余裕はなく、
「今日も迎えに来てくれて、ありがとう。
でも私、大丈夫だよ?」
大丈夫ではないのに、必死に言う。