素敵後輩の隠し事



城内君は私が誰と帰ろうがどうでもいい。

だって、私の片思いだから。

正義感溢れる城内君のことだから、ただ私を気にして一緒に帰ってくれていただけだ。

そんなこと百も承知なのに、守山さんと帰る帰り道はなんだか寂しかった。

だけど守山さんにこの気持ちがバレてはいけないと思い、必死に元気を装う。



「守山さん、城内君と仲良しなんですね」


「城内君、高校時代もいい人だったんだろうなぁ」


明るく振る舞う私の口から漏れるのは城内君のことばかりで、はっと口を噤む。

こんな私を見て、守山さんは面白そうに笑う。


「里穂ちゃんは淳のことが好きなんだね」


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