素敵後輩の隠し事




「が、ガリ子?」


その呼び名を聞いた瞬間、震え上がった。

身体を冷や汗がつーっと流れ、鼓動が速くなる。

あの頃の話を守山さんにまで知られたくないし、今は城内君だっていないし……




私は守山さんのシャツを掴み、早足で逃げようとする。

だけど何も知らない守山さんは、驚いた顔で声の主を見て、

「里緒ちゃん、知り合い?」

なんて聞く。

だから私は俯いて立ち止まるしかなかった。


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