素敵後輩の隠し事
その瞬間、私は顔を上げていた。
私の前にいたのは、不敵に笑うでもなく、馬鹿にする顔でもなく、酷く怯えた顔をした同級生だった。
城内君と付き合っている?
そんなはずない。
その前に、この人はどうして城内君のことを知っているのだろう。
それに……神木という人のことは、私でさえ知っている。
隣の地区にいた、悪名高い上級生の名だ。
同じ高校の悪い奴らは、彼の名を呪いのように言って怯えていた。
だけど城内君は……?