Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜
「本田先生、二人で何か歌いませんか?」
一花にそう誘われて、桜士は断る人間ではない。笑顔で「いいですよ」と返した後、訊ねる。
「あの、僕が曲を選んでもいいですか?」
「はい、大丈夫です!」
一花と歌うのなら、どうしても歌いたい歌が桜士にはあった。それは、今この瞬間だけ二人が互いに愛し合っていると思えるような歌である。
イントロが流れ出すと、「夢の国の歌だ!」とオリバーが目を輝かせる。桜士が選んだのは、夢の国のお姫様が主役の映画の中でお姫様と王子様が二人で歌う曲だ。
「〜♪」
「〜♪」
一花は少し頰を赤く染めながら歌う。その表情に桜士は愛しさを覚えつつ、この時間が永遠に続けばいいのにと非現実的なことをまた考えてしまった。
楽しいカラオケから数日後、病院と警視庁を往復する忙しい日々を桜士は過ごし、医者も捜査官も珍しく両方休みの日になったため、桜士は買い物に行くためにバスに乗った。車は昨日車検に出したため、ないのだ。
一花にそう誘われて、桜士は断る人間ではない。笑顔で「いいですよ」と返した後、訊ねる。
「あの、僕が曲を選んでもいいですか?」
「はい、大丈夫です!」
一花と歌うのなら、どうしても歌いたい歌が桜士にはあった。それは、今この瞬間だけ二人が互いに愛し合っていると思えるような歌である。
イントロが流れ出すと、「夢の国の歌だ!」とオリバーが目を輝かせる。桜士が選んだのは、夢の国のお姫様が主役の映画の中でお姫様と王子様が二人で歌う曲だ。
「〜♪」
「〜♪」
一花は少し頰を赤く染めながら歌う。その表情に桜士は愛しさを覚えつつ、この時間が永遠に続けばいいのにと非現実的なことをまた考えてしまった。
楽しいカラオケから数日後、病院と警視庁を往復する忙しい日々を桜士は過ごし、医者も捜査官も珍しく両方休みの日になったため、桜士は買い物に行くためにバスに乗った。車は昨日車検に出したため、ないのだ。