Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜

「ですが、そんな理由でこんなことをしているんですよ！？」

一花は桜士の腕を振り解こうとし、桜士は一花の体に腕を回すことでそれを止める。まるで抱き締め合っているような光景に、ベラドンナが「イチャつくんじゃねぇぞ！」と怒鳴り付ける。それに対し、一花は迷うことなく彼らを睨み付けて言った。

「あなたたちのそんなくだらない理由で、人の人生を、誰かと繋がる明日を壊させはしません！」

「おお、怖ッ！可愛い顔して怖いね〜！」

ベラドンナがそうニヤニヤしながら言うと、ヴェノムとクラーレも笑い出す。三人は小柄で華奢な一花のことを舐めているのだろう。もしも桜士が止めなければ、戦場を駆け抜けてきた一花は迷うことなく彼らを倒していたはずだ。

「四月一日先生、座席に座りましょう」

桜士はそう一花を宥め、少々強引にモニカの隣に座らせる。すると、先ほどまで静かに状況を見ていたモニカが口を開いた。

「お前たち三人、そんなに退屈な日常が嫌なら私と一緒に来たらどうだ？きっと刺激的な毎日を味わえるぞ？」