Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜

モニカは口角を上げ、ジッとヴェノムたちを見ている。一花が驚きつつモニカを見ていると、彼女はゆっくりと息を吐いて言った。

「私について来たら、お前たちは銃弾が飛び交い、足元には地雷がいくつも埋まり、多くの怪我人が泣き叫ぶ場所へ行ける。明日、隣にいる人がいなくなっているかもしれない場所だ」

それは間違いなく、戦場のことだ。一花とモニカがeagleのメンバーとして足を運ぶ場所である。

「そこでは、何度も絶え間なく「死ぬかもしれない」という恐怖を味わう。銃弾が自分のすぐそばに当たり、建物が空爆によって崩壊し、犯罪組織に捕まれば仲間共々拷問され、最悪内臓か自分を売り飛ばされて……」

モニカは立ち上がり、着ているネオンカラーのニットを捲り上げる。そこに見えたモニカの鍛えられた体には、無数の傷痕や手術痕があった。何の傷なのか、桜士には嫌でもわかる。

（これは銃による傷、こっちはナイフで斬られたものか……）